技術士試験答案「超高齢化社会への対応」
ニイハオ!
唐突ですが技術士電気電子部門を来年度受験することにしました。一昨年、結構なしょぼしょぼ工事でしたが一級電気工事施工管理を取得でき、はずみのついているところです。
これからの時代、全ての業務はAI・DX・Techに置き換えられようとしている昨今の時勢を鑑みれば、僕の業務は電気技術者なのではないかと思いました。いや、自らの行動が電気技術者であると強く意識することが重要であると思います。
僕のことをよく知る人には言うまでもありませんが、実務では電気電子部門の要素は薄いです。しかし、主業務のデータ分析もそれっぽいところがありますし、財産管理や情報管理の範疇に、電気電子と言える業務はあります。当然、技術に対する熱意は十分にあります。このたりは書きようによってはなんとかなると思われますので。非電気技術者がどこまで挑めるのかに挑戦してみたいと思います。
採点者にボロが出ないよう頑張るしかないですね。
論述試験に対する心得
僕は技術士試験に限らず全般的に論述試験はセルフ添削できることが必要だと思っています。
というのは、添削できないということは、要するに今書いている文章が、相手の期待する回答になっているか、説明しうるか、説得力を持っているかを認識できていないということになります。
だから、その試験の合格者としてふさわしいのか、自分で自信を持てないということです。試験時間の関係で、満足な出来に達しないことはあれど、あとからその良し悪しを判定できないのではそもそも試験に合格する資質に欠けていると私は思います。
もちろん、偶然が重なって合格することはあるでしょうが、基本的に合格圏に達している人は既に指導できるレベルの素養を備えています。
つまり、添削スキルを育てることで、論考の時点でマッシヴな論理を組み立てることができ、結果として論述スキルの向上が見込まれるのではないかと考えます。
もちろん、独学で頑張ることを美徳としているわけではないですし、添削サービスを否定しているわけではありません。合格できる論文とは何かを知らずに頑張るほど愚かでもありません。
でも、まずは自分で高められる部分まで持っていってから相談した方が、より深い良いアドバイスを貰えるものと思います。
学習の方針
というわけで、まずは他分野含め論述試験の回答や、その解説を一通り調べてきたところです。本当に初心者の状態から始めようというところです。
概ね、コンピテンシーに照らした回答ができていれば良いことを知り、フォーマットも定番のものがあるようでしたので、それに沿って過去問を解きつつ添削をすることにしました。
独りよがりな論文になってしまっては元も子もないので、どこかのタイミングで添削サービスを組み込んで、時点修正を入れたいと思います。
出題別の対策
以下は僕の考えた出題別の対策です。試験まで7か月しかありませんので、これらを期間に分けて学習計画を立てます。
出題IとIIIは、ぶっちゃけ対策が同じ。
・骨子表と論理展開表を作り埋められるようにしていく。
・論述試験全般だが、自分で分析・評価できるようになることが、本当の試験対策である。
出題II-1は、ある程度用語を説明できるようになる必要がある。
・出題傾向を分析
・技術ノートの作成、回答案の作成(とりあえず10個程度)
出題II-2は、テンプレをいくつか作る訓練を積めば対応可能である。
・コミュニケーション、マネジメント、リーダーシップ
・個別の具体的な事例が列挙されているが、完全にフィットした法案を提示する必要はないのではないか。要点を抑えた計画になっているかが肝要なのだろう。
作るべき資料がそこそこありますが、blogやYoutubeを見ても共通して実施しているようなので、これはコツコツやっていくことにします。
模擬試験及び添削の条件
実際は、本番と同じく2時間の制限を課し、答案用紙に実際に手書きで記載しています。それを一切訂正せずblogに起こした格好となっていますので、詰めの甘い箇所があるかと思います。
記述後に、赤字でセルフ添削を入れてみます。添削自体も素人というところから始まりますので、添削スキルも成長できればと思っています。
最後に、訂正後の答案を用意したいと思います。これらの作業を含めて三段階で記事にしたいと思います。
模擬試験のテーマ
今回のテーマは令和5年度選択問題III-2「超高齢化社会への対応」です。
これまでの経験から言って、試験といえば、後半の大問の出来が大きく成否を左右しますよね。ということで、選択問題3から解くことにしました。
このテーマに対して、
(1)実現のための課題を3つ
(2)その中で、最も重要な課題とその解決策
(3)全ての解決策を実施したとしてもなお残るリスクとその対応方法
について記述します。
模擬試験の答案
「超高齢化社会への対応」
1.超高齢化社会への対応を進めるうえでの課題を挙げる。
(1) 予防医療の観点
高齢者が健康で文化的な生活を営むには、病気の早期発見、早期治療に努めると共に、病気にならないため予防医療を生活に取り入れることが課題である。
スマートメーターやスマートタップ、電灯分電盤にクランプメータ式監視装置を設置し、日常生活における生活状況を把握し、ヘルスケア情報を元にAI解析することで糖尿病等の兆候を検知したり、独居老人のみまもり監視ができる。
(2) 災害時の避難対応の観点
高齢者は、持病を持つ人も多く、体力的不安も多いため、災害時の避難自体がリスクを伴うためその対応が課題である。
シェルター近くに移住したり、災害対応マンションに転居するほか、EVを自家用車とし、停電時には生活機能を維持する蓄電時とするV2Gの機能を備えた住宅に改修するなどが考えられる。
(3) 医療サービス従事者の確保の観点
超高齢化社会になると、全人口における勤労世代の割合が減少し、医療サービスを提供する従事者が不足するため、その対応が課題である。
少数の労働者で、より多くの人に医療サービスを提供するため、Web カメラなどを用いた遠隔医療環境を整備するなどが考えられる。病気の発見後も、テレイグジスタンス技術により、直接訪問せず遠方から医療サービスを提供することができる。
3.最も重要と考える課題
社会全体でみると介護や福祉分野においても従事者の不足が懸念されており、自助による救済だけでは容易に解決できず限界があることから、医療サービス従事者の確保が最も需要な課題である。
高齢者は、介護や福祉サービスも併せて受けている人も多く、地域包括ケアシステムの構築を見据え、これら医療と介護とで連携しつつサービスを維持していく必要がある。
3.全ての解決策を実行しても新たに生じうるリスク
利用する主体は高齢者であり、その多くはIoT機器やデジタル情報に詳しいわけではなく、デジタルディバイドが生じる恐れがある。
特にデジタル機器そのものに対するデジタルアレルギーが機器や制度普及の妨げになることが考えられる。
3.1デジタルディバイドへの対策
(1) 市民センター等での説明会の開催
高齢者にデジタルサービスの利用を促すには、正確な情報の提供と、早い段階でサービスに触れてもらう機会を設けることが重要である。市民センターなど地域の集会場などで説明会を開催し、実物に触れる機会を設け、精神的負担を軽減する。
(2) ゲーミフィケーションによる継続利用の動機付け
操作に不慣れな高齢者が、デジタル機器を操作する際には、大きなテクノストレスが生じるため、チュートリアルとして細かな達成目標と報酬を設定し、成功体験を積ませることで操作が習熟できると共に苦手感を克服していくゲーミフィケーションが効果的である。
以上
模擬試験の添削
というわけで添削を進めてみたいと思います。
「超高齢化社会への対応」
1.超高齢化社会への対応を進めるうえでの課題を挙げる。
(1) 予防医療の観点
高齢者が健康で文化的な生活を営むには、病気の早期発見、早期治療に努めると共に、病気にならないため予防医療を生活に取り入れることが課題である。
スマートメーターやスマートタップ、電灯分電盤にクランプメータ式監視装置を設置し、日常生活における生活状況を把握し、ヘルスケア情報を元にAI解析することで糖尿病等の兆候を検知したり、独居老人のみまもり監視ができる。
「文化的な」は言い過ぎだろう。
高齢化社会への対応のための取組として予防医療の必要性が示されていない。
二段目で取り組み事例と共に専門用語が出てくる。これが言いたい部分だろう。
どちらかというと独居老人のみまもり監視がメインで、糖尿病等の兆候を検知するのは実用化されていない点がやや気になる。
さて全体を俯瞰してみると、超高齢化社会への対応として予防医療が必要という点はわかるが、それが電気技術者の立場からの意見というのは違和感がある。(医療従事者の視点ではないか?)
この点の説明がおろそかだと、監視装置は何のために設置するかを考えたとき、医療従事者の不足が背景にあるのではないかと受け取られかねない。そうすると設問3と課題が重複してしまうだろう。ここの骨子はきちんと組み立てる必要がある。
超高齢化社会の対応のために、何が問題なのかをはっきり示すことが必要。医療リソースが有限だから、予防医療が必要、そのためにヘルステックの技術が有効、だから、見守り監視や早期発見を目的とした監視設備が重要。その普及が課題である。という論理展開になるのではないか。
とすれば、ここで課題とすべきなのは、「医療リソース確保の観点からの監視装置を利用した予防医療の拡充」となるはずである。こうすれば、本当は医療リソースの一つだけど、医療従事者の不足といった側面にフォーカスが当たりにくい。
(2) 災害時の避難対応の観点
高齢者は、持病を持つ人も多く、体力的不安も多いため、災害時の避難自体がリスクを伴うためその対応が課題である。
シェルター近くに移住したり、災害対応マンションに転居するほか、EVを自家用車とし、停電時には生活機能を維持する蓄電時とするV2Gの機能を備えた住宅に改修するなどが考えられる。
持病のリスクとは、足腰が弱いという肉体的制限だけでなく、医療情報にアクセスできない、治療器具等が持ち運べないことを指すため、避難自体がリスクと言いたいはずなのだが、体力的不安を並列に並べたせいで、焦点がぼけている。
方向性は二つあって、自宅の防災性能・減災性能を高める、避難の手段を確保するということであるが、この案ではEVを使用して移動手段としたり、V2Gにより防災性能を高めたりと説得力のある案になっている。
この課題を最も重要な課題とする方向性もあると考えられる。
例えば、高齢者は避難自体にリスクがあるため、住居の防災・減災も必要である。までを記述しておき、最も重要な課題のところでは、移動手段としてのEVの確保によりV2Gの実現が住居の防災性能の向上と、避難手段の確保が有効な解決策となり、もう一つは早期避難情報の獲得が有効であるため、日ごろからの情報伝達手段の整備に結びつけ、プッシュ・プル・ブロードキャスト型の情報発信の記述をそのまま採用してはどうだろうか。
それでもなお生じる課題については、デジタルディバイドか、EV自体の蓄電池の危険性について論じるのがセオリーであるように思う。
(3) 医療サービス従事者の確保の観点
超高齢化社会になると、全人口における勤労世代の割合が減少し、医療サービスを提供する従事者が不足するため、その対応が課題である。
少数の労働者で、より多くの人に医療サービスを提供するため、Web カメラなどを用いた遠隔医療環境を整備するなどが考えられる。病気の発見後も、テレイグジスタンス技術により、直接訪問せず遠方から医療サービスを提供することができる。
「超高齢化社会になると、」は不要。
「整備するなど」は など は不要。「整備すること」で良い。
技術者不足への対応というよりは在宅で医療を受けることがメインのサービスであるため、そのことに触れた記述があると良い。
Webカメラのあとテレイグジスタンスを持ってくる必要はあるか?最初からテレイグジスタンスだけでよかったのでは。
三つの課題と重要な課題とその解決策はアイソレーションが重要。
3.最も重要と考える課題
社会全体でみると介護や福祉分野においても従事者の不足が懸念されており、自助による救済だけでは容易に解決できず限界があることから、医療サービス従事者の確保が最も需要な課題である。
高齢者は、介護や福祉サービスも併せて受けている人も多く、地域包括ケアシステムの構築を見据え、これら医療と介護とで連携しつつサービスを維持していく必要がある。
社会全体で見たら、介護や福祉どころか全産業で人手不足なのでは。要は、医療と介護がミックスする上で親和性が高いことを説明しなければならない。
自助の話はすこしずれている。結論のどこにもかかっていない。
このブロックは、この論文で最も説得力の必要な個所である。ここは丁寧に理屈を建てた方が良い。
二段目と一段目を入れ替えた方が文章のつながりがスムーズなのでは。
3.1 解決策
(1)プッシュ・プル・ブロードキャスト型の情報発信
医療情報を提供する上で、必要な情報発信を一つにまとめ、問合せや説明の対応を極力減らし効率化する。例えば、全体に広く周知する場合は映像配信などによるブロードキャスト型を用い、詳細な説明を求める相手には要求に応じて配信するプル型を用い、診断日やイベント予定日などを事前に端末などに送信してお知らせする場合にはプッシュ型を用いて情報を効率的に発信する。
情報提供手段を複数持つことによって、人材不足にどう貢献しているかのロジックが描かれていない。もちろん業務効率化=人員減とはなるのだが、もう少し丁寧な説明が必要である。
医療情報を提供する主体は、医師だけではない。薬剤師、病院、薬局、地域、行政など様々あり、これらを一つのプラットフォーム(次に医療情報緒プラットホームという単語が出てきているので、媒体あたりが良い表現か)で、それぞれ適当な手段により通知されることが大事である。
(2)医療情報プラットホームの整備
効率的に医療サービスを提供するためには、患者の電子カルテや薬歴等の情報に加え、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師などをID化し、データ上で一つのメディカルIDと紐付け、クラウドサーバ上で管理することで、いつどこでも医療情報緒にアクセスできる環境の構築が必要である。
これも効率化ではあるが、従事者不足への直接的な対処ではないため、説明を加える必要がある。
患者が選択的に医療機関を受診できることで、単純に平準化されればいいのだが、実際に市場原理に任せると大きな偏りが出かねない。
イマイチ解決策としては弱いのではないか。取組としてはわかりやすいが、人員不足に対する効果が弱いのではないか。
これまでどういう方法によっていたか、が上手く説明できれば、従事者不足への対応と言えるかもしれない。
そもそも従事者不足は定番である。AIやDXが解決策になるという理屈はわかりきっている。だからこそ、丁寧な回答が求められる。
3.全ての解決策を実行しても新たに生じうるリスク
利用する主体は高齢者であり、その多くはIoT機器やデジタル情報に詳しいわけではなく、デジタルディバイドが生じる恐れがある。
特にデジタル機器そのものに対するデジタルアレルギーが機器や制度普及の妨げになることが考えられる。
デジタルディバイドは定番課題となるため、確実に文章を作っておくこと。
「恐れがある」、は言い切りで良い。
3.1デジタルディバイドへの対策
(1) 市民センター等での説明会の開催
高齢者にデジタルサービスの利用を促すには、正確な情報の提供と、早い段階でサービスに触れてもらう機会を設けることが重要である。市民センターなど地域の集会場などで説明会を開催し、実物に触れる機会を設け、精神的負担を軽減する。
「など」が続きすぎている。
(2) ゲーミフィケーションによる継続利用の動機付け
操作に不慣れな高齢者が、デジタル機器を操作する際には、大きなテクノストレスが生じるため、チュートリアルとして細かな達成目標と報酬を設定し、成功体験を積ませることで操作が習熟できると共に苦手感を克服していくゲーミフィケーションが効果的である。
以上
毎日のログインや一つの機能操作ごとに細かな達成目標と報酬を設定し、不慣れなデバイスに対して成功体験を積ませることで操作の習熟に結びつけるゲーミフィケーション型のチュートリアルを採用し、継続利用の動機付けに利用する。
情報へのアクセス頻度も増し、効果が高まる。
さらなるリスクとその解決策は、未来のことを書く。既存技術よりは、今後の研究や開発が見込まれる技術の方向性を記述するほうが良い。あるいは、あえて電気電子部門から離れての案でも問題ない。
最初の三つの課題と重要な課題とのその解決策までが電気電子部門の知識を総動員しての案であるべきで、さらなるリスクというのは要するにそれだけでは解決できない提言に位置する。
論文全体の作りは、問題の分析(3つの課題)があって、そのボトルネックの解消案(重要な課題とその解決案)があって、そこから求められる提言(なお残るリスクとその解決策)となっている。
こんな感じになりました。
初回なので実はあまりちゃんと計測しておらず、2時間10分ほどかかっています。
もう少し速度を上げたいところですが、まずは内容ですよね。通しで見るとあまり専門用語が使われていません。そうするとスコアとしては乏しいものになってしまうかも・・・その辺は要改善ですね。
改善後バージョン
「超高齢化社会への対応」
1.超高齢化社会への対応を進めるうえでの課題を挙げる。
(1) 予防医療の観点
高齢者が健康な生活を営むには、病気の早期発見、早期治療に努めると共に、病気にならないため予防医療を生活に取り入れる必要があり、医療リソース確保の観点から、健康状況の監視装置の整備が課題である。
例えば、スマートメーターやスマートタップ、電灯分電盤にクランプメータ式監視装置を設置し、AI解析することで糖尿病等の兆候を検知したり、独居老人のみまもり監視を行う。
(2) 災害時の避難対応の観点
高齢者は、持病を持つ人も多く、体力的不安も多いため、災害時の避難自体がリスクを伴うためその対応が課題である。
シェルター近くに移住したり、災害対応マンションに転居するだけでは全員を収容しきれないため、EVを自家用車とし、停電時には生活機能を維持する蓄電時とするV2Gの機能を備えた住宅に改修し、災害に対応する。
(3) 医療サービス従事者の確保の観点
全人口における勤労世代の割合が減少し、医療サービスを提供する従事者が不足するため、IoTや医療DXの推進が課題である。
少数の労働者で、より多くの人に医療サービスを提供するため、テレイグジスタンス技術により、遠隔医療環境を整備することが考えられる。
3.最も重要と考える課題
少子高齢化の影響で、医療分野のみならず、他の産業においても従事者の不足が懸念されており、そのためには医療DXや医療介護の連携によるサービス統合を進める必要があるため、医療サービス従事者の確保が最も需要な課題である。
地域包括ケアシステムの構築を見据え、医療と介護とで連携しつつサービスを維持していくことを考慮することが必要である。
3.1 解決策
(1) プッシュ・プル・ブロードキャスト型の情報発信
医療情報を提供する主体は、医師だけではなく、薬剤師、病院、薬局、地域、行政など様々あり、重複した情報も少なくない。これらを一つの媒体にまとめ、問合せや説明の対応を極力減らし効率化する。
例えば、広く周知する場合は映像配信などによるブロードキャスト型を用い、詳細な説明は要求に応じて配信するプル型を用い、診断日や予定日をお知らせする場合にはプッシュ型を用いて効率的に発信する。
(2) 医療情報プラットホームの整備
患者の医療情報は、電子カルテや、薬歴、定期健康診断の記録など、それぞれ別の台帳で管理されており、相互比較するにはそれぞれ照会をかける必要があった。
効率的に医療サービスを提供するためには、これらの情報に加え、医師情報や薬剤師もキーIDを付し、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師もデータ上で一つのメディカルIDと紐付け、クラウドサーバ上で管理することで、いつどこでも医療情報にアクセスできる環境の構築が必要である。
3.全ての解決策を実行しても新たに生じうるリスク
利用する主体は高齢者であり、その多くはIoT機器やデジタル情報に詳しいわけではなく、デジタルディバイドにより事業の効果を妨げる恐れがある。
3.1デジタルディバイドへの対策
(1) 市民センターや集会所での説明会の開催
高齢者にデジタルサービスの利用を促すには、正確な情報の提供と、早い段階でサービスに触れてもらう機会を設けることが重要である。市民センターや地域の集会場で説明会を開催し、実物に触れる機会を設け、精神的負担を軽減する。
(2) ゲーミフィケーションによる継続利用の動機付け
デジタル機器を操作する際に、不慣れな状況では大きなテクノストレスが生じやすい。そこで、ガイダンスに細かな達成目標と、ポイントやスタンプなどのの報酬を設定し、成功体験を与えることで、操作の習熟と苦手感の克服を狙うゲーミフィケーションを活用する。
以上