渓のライフマネジメント日記

日々の活動と雑感をゆるゆると記録するところです。みんなHAPPYになっちゃえ。

アンダーマイニング効果

面倒な仕事を与えられたとき、どうしてもやらなきゃいけないのに気乗りしないとき、あなたはどうしていますか?今回はそのモチベーションの維持に関する記事です。

 

 

 

内発的動機付け・外発的動機付け

 何か新しい物事に取り組むとき、自分からすすんでやる場合と、親や上司に命令されてやる場合がありますよね。自分から進んでやりたいものは、モチベーションが湧いてきていくらでも突き進んでやることができますが、他人から命令されてやるものはどうしても億劫だし捗らないものです。

 

 モチベーションの維持を考える上で動機というのは非常に重要です。好奇心や興味から自発的に物事を進めたい内的な要因による場合は「内発的動機付け」、褒められたり報酬が貰えるなど外的な要因による場合は「外発的動機付け」と呼びます。

 

 

アンダーマイニング効果

 さて、あるとき内発的動機付けによって進めていた物事が、あとから外発的動機付けが加わることによってモチベーションが低下してしまうことがあります。

 

 事例を一つ考えながら紹介しましょう。

 

 例えば仕事で、あなたが毎朝いつも部屋を掃除していたとします、ある日、上司の目に留まり、ボーナスが支給されたとしましょう。それまではあなたは自分の仕事環境のために自発的に内発的動機付けによって掃除をしていたのですが、この出来事によりボーナスが支給されることを期待するようになります(返報性の原理)。その後もしばらく掃除を続けるのですが、一向にボーナスが支給される気配がありません。いつしか掃除をしなくなってしまいました

 

 これは、当初は内発的動機付けによって行っていた掃除が、ボーナスの支給という外発的動機付けに変わってしまったことにより、モチベーションが低下したことを意味します。

 

 この効果は、1971年に心理学者エドワード・L・デシ氏とスタンフォード大学心理学教授マーク・R・レッパー氏が行なった実験によるものでアンダーマイニング効果と知られています。

 

 この事例において上司の目線から見ると、心がけに対して報酬を与えたというのは一見喜ばしいのですが、モチベーションの維持という点ではマイナス効果だったことがわかります。

 部下のモチベーションを維持したいと思うならば、報酬は反復的なものに対しては継続的である必要があるのです。良い行いでも報酬を与えるのは慎重を要するのです。こういった場合は、一時金ではなく、基本給に反映するのが好ましいということですかね。

 

 

 

聞いてますかうちの会社

 

 

 

基本給UPだよ基本給UP!

 

 

 

 

 さて、今回の記事で言いたいことを言い終えたので、ここからはせっかく覚えたアンダーマイニング効果を利用してみましょう。

 

 

 

プロの流儀

 この効果は、自分で目標設定をする際にもアンダーマイニング効果を応用できますね。

 例えば「頑張ったご褒美のお菓子」とか設定すると、お菓子が無いときには自発的に行わないようになってしまいます。よく聞く表現ですが、あまり得策ではないのかもしれません。とはいえストレスが溜まるのも事実。

 目標が摩り替わらないように、注意する必要があるのです。

 

 頑張らなくてもお菓子は食べていい

 

 のだと思います(勝手な解釈)。

 

 まあ、基本的にやりたいものは自由にやるべきなのです。これは物事を継続する上で重要です。自分の本当にやりたいことに関して言えば、結果に対して別の報酬を得ることには慎重であるべきということなのです。

 

 また、モチベーションを維持するためには必要といえど、やりがい搾取のような状況も避ける必要があります。

 報酬を得たとしてもしっかりと区別できるマインドこそが必要です。あらゆる分野のプロフェッショナルはモチベーションの低下を防ぐためにそういった感覚を身に付ける必要があるでしょう。

 

 

 

アンダーマイニング効果を逆利用

 アンダーマイニング効果を逆に利用することもできるのではないかと考えます。例えば好ましくないことをやめる手段として、良くないことに対して報酬を用意し・・・

と考えたところで、行動経済学の本に書いてあった「落書きのイタズラをやめさせたお話」を思い出しました。そういえばあれ、アンダーマイニング効果だったわ。

 落書きのイタズラをやめさせた話というのは、壁の塀にイタズラされて困っていた家主が、思い切ってイタズラしていた子供たちにお小遣いをあげるようにしたのです。子供たちは喜んでイタズラするようになりましたが、ある日お小遣いが貰えなくなるとイタズラが楽しくなくなり、イタズラをやめるようになってしまった。という物語です。

 これが本当に効果があるなら嬉しいですね。

 

 今度から失敗したらハーゲンダッツを食べていいことにしようかな。

 (今回はどんどんと自分の中のハードルが下がっていい感じですね。)

 

 

動機付けの遷移

 要するに、内発的同期付けが外発的動機付けに上書きされてしまうことがデメリットなのです。

 逆に、外発的動機付けからスタートしたものであっても、内発的動機を見出すことができれば、モチベーションは向上し、物事に対する取組みの姿勢が前向きになるでしょう。

 とても嫌な仕事に向き合うとき、早めに内発的動機をたくさん見つけ、それを大きくしていくのが有効だと思います。

 資産の形成に取り組みたいと考えるとき、無理に生活レベルを下げるのではなく、例えば節約やポイ活を併用し、楽しみを見出すのも同じようなメリットがあるでしょう。

 

 

 

遊び心を取り入れる

 では具体的に、どのようにして内発的動機、内発的感情を呼び起こせばよいでしょうか。向き合う対象によって様々ですが、必ずしもストイックに向き合いその概念に喜びを見出せるものばかりではありません。

 そこで、僕は遊びを取り入れるのが最も楽な方法の一つではないかと考えます。具体的に言うと、内発的動機を維持できるルールを追加するというものです。同じ行為でも新たな視点が加わることで、モチベーションが維持できるのです。

 例えば、毎日の料理は苦痛ですが、そこに作る時間の目標を設定して、時間内に作れるかを考えるなどです。速さでなくても出来栄えでも良いでしょう。(料理を作ってるみなさんは作ったからには褒められたいと思うかもしれませんが、モチベーションの維持という観点からは褒めるのは逆効果ですので、ここはグッと我慢しましょう。)

 掃除なんかも、ルンバとのコンビネーションを極める、ルンバの進行先の物体を片付けながら流れるように拭き掃除するとかするとかなりゲーム性が上がりますね。

 

 

 

最終的には習慣化する

 モチベーションの維持はいつまで続ければいいのでしょうか。僕はいつまでも続ける必要は無いと考えています。それは、反復継続して続けるうちに、ルーティン、習慣になってしまうからです。習慣になってしまうと、もうモチベーションの問題ではなくなります。

 最終的には習慣化することで、このモチベーションの上下によるパフォーマンスの低下から抜け出すのが良いと思います。

 

 

より良い方法、意見がありましたら、教えてくださいね。

 

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