電圧不足? 家庭の電気配線の直し方
エアコン取付のため、家庭内の電気配線をチェックしていたところ、電圧が60Vしかないコンセントを発見しました。今回はこの問題を解決したいと思います。
前回のおさらい
前回はエアコンを取付しようということで、分電盤及び配線の設計、そして配線ルートを決定しました。未読の方はこちら。
なお、前回調べた6367 ダイキンは約15,000円でしたが、現在6月26日の終わり値は17,175円と、1単元購入だけでエアコンが設置できるレベルまで上がっていました。ダイキン様ありがとうございます。(申し訳程度の投資blog要素)
エアコンはサマーストック銘柄であり、コロナ対策でカウンターなどにフィルムを設置したことにより換気方式の見直しや設備の追加を行う必要があるため、今後世界的に需要が伸びると予想しています。偏西風の蛇行により国内需要も大きく伸びると予想されるため、株価の上昇が見込まれるのではないかと考えています。
実は資金管理の関係で一旦手放しましたが、まだまだ上がる素地があるため様子を見て買い戻したいと思います。
負荷分散!
さて、話がそれましたが今回は前回作成した図面と実際の状況の適合調査の予定でした。非常に地味な作業です。しかし、DIYで電気配線を弄る上では調査は必須の作業です。状況を把握しておくというのはファシリティマネジメントの基本であり、不動産を管理する上でも重要です。
と、威勢のいいことを書きましたが、あまりにも地味な作業のためせっかくなのでAC100V系の負荷分散を行うことにしました。もちろん、その際に他の経路も調査し、悪いところがあればこの機会に直してしまうのが良いと思ったからですね。
単相三線式の回路では100V系列はRN間とNT間の2系統が選択でき、それぞれに負荷がぶら下がっているわけですが、この2系統間の消費電力をできるだけ平衡させることにより、消費電流を小さくすることができます。例えば、あるおうちの家庭用電力が下の図のような機器構成になっていたとします。
もちろん、このままでも不都合はありませんが、
このように組み替えると、各相の消費電力が平衡になりますね。実際には三相三線式ではないので、負荷分散による節電効果は限定的ですが、N相に流れる電流を小さくでき、中性線欠相時のトラブルを小さくできるメリットがあります。
もう一度言いますが、家庭用の消費電力はものすごく小さく、どの負荷も常時稼働しているわけではないので、影響としては極めて軽微です。さっさと本題に入りますね。ええ、すいません。
電圧が不足?おかしい!
調査の途中で電圧62.5Vのコンセントを発見しました。換気ファンの専用電源ですね。このまま地味な作業が続いたら、blog記事として致命的な情報量の無さになってしまうところでした。ダイキンの銘柄分析でもしたほうがマシだったかもしれません。
基本的に一般的な家庭用100Vコンセントならば100~105Vくらいのレンジで電圧が表示されるはずです。中途半端な電圧は機器に悪影響も与えそうです。ちょっと嫌ですね。
背後に大きな問題が潜んでいたらと思うと調査しないわけにはいきませんね。ここにきてまさかのDIY記事っぽくなってきたおかげでテンション爆上げです!。(もう僕は調査がしたくなってしまってエアコン取付のことを忘れていますね・・・)
電圧低下の理由を考察
さて、闇雲に調査しても良いことはありません。まずは色々考察してみましょう。電圧の低下には複数の原因が考えられます。それぞれについて考えてみましょう。
①そもそも送電電圧が66Vである
まずは電力会社からの送電を最初に疑ってみたいところですが、現状こういった事例はほぼありません。しかもスマートメータですし、他のコンセントが100Vであることからも、電力会社のミスというのはありえないですね。一応ね、一応。
②ケーブルが長すぎることによる電圧降下
こう長が長すぎると、銅線の抵抗により電圧が降下します。しかし、このファンから分電盤までの距離は階上であり距離にして数メートル、電圧降下による影響と考えるのは無理がありますね。
③どこかで漏電している
電圧が降下しているのですから、どこかに電圧が分圧されていることになります。即ち漏電が起こっていると考えるのはどうでしょうか。線の被覆を確認したわけではありませんが、木造であり分圧される対象自体が無いのです。
④中性線が欠相している
中性線欠相というのは、単相三線式の回路におけるN相が欠相した場合に起こる現象です。主幹ブレーカには中性線欠相保護機能付きものもが用意されていたりしますね。
中性線が欠相すると、即ち接地線が浮動(浮いた状態)となり、線間の電圧が不定の状態となります。しかし、ほかの電源が健全なので、これも無さそうですね。
可能性を模索する
全ての可能性は否定された・・・と思いましたが、④についてもう一つだけ検証する余地がありました。
それは、線路の途中でN相が断線しているとすれば、この回路の部分にだけ中性性欠相が発生しうるというものです。これであれば、他の回路は健全で、ここだけ異常が発生しているという可能性もありそうです。
中性線欠相を調査する
というわけでまずは主幹ブレーカーのN相と接地線の線間抵抗をチェックしました。しかし、結果は抵抗0Ω(導通あり)でした、当然ですが主幹側での中性線の欠相は無さそうです。
そして、今度は換気ファンのスイッチのところでチェックしてみます。これで断線が確定すれば、予想通りということになるのですが・・・果たして・・・!?
接地線との導通は普通に0Ω(欠相無し)ですね・・・。うーん。
・・・あれ?
そもそも この回路、片切スイッチになっていますね。しかも、電圧をチェックしてみると活線(HOT)側が切られない回路になっています。(下図参照)
これは、実際に中性線が浮いていたのではなく、回路によって中性線が切り離された結果、中性線欠相と同様の現象が発生したことによるものですね。
接地線が浮いてしまうことにより、ファンのコイルの持つインピーダンスとテスタ内部の回路のインピーダンスで分圧された交流電圧が表示されていたというわけです。
この部分は電気工事業者の配線工事での作業ミスということになりそうです。
解決方法
この回路のままだと電力を遮断できていないため、いざというとき感電の虞がありますね。不安定な電圧による機器の故障も避けたいところです。というわけで対処しましょう。対処方法は大きく分けて二つあります。
片切スイッチの活線側が遮断されるように配線を入れ替えるか、両方とも切れる回路にするという方法ですね。
今回は片切スイッチなのでN相とR相を入れ替えることで対処します。それにしても、この回路はどこかで分岐した際に白黒が入れ替わっているんですね。念のため配線にメモを残しておくことにしましょう。
線を入れ替えるだけなので、作業は1分くらいで終わりました。
というわけでチェック!
GOOD!
こんどはバッチリ102.9V出ていますね。 これで安心です。
こういった小さなトラブルを解決するのもDIYの楽しいところですね。
エアコン用回路の設置は少し先延ばしになりましたが、トラブルを未然に防いだということで今回はよしとしましょう。
次回は分電盤を交換したいと思います。楽しみな作業ですね~。